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親指シフト表記付きUSBライトタッチキーボード

eee-life社製の「親指シフト表記付きUSBライトタッチキーボード」が発売されています。私も販売開始直後に購入したのですが、使用する機会もあまりありませんでした。でも、せっかく新しい親指シフトキーボードが出たというのに使わないでいるというのももったいないことだし、使ったのならその経験を共有するのも良いことかと思いました。
この際、少しですが使ってみたので、以下思ったことを書き留めておきます。なお、これはレビューというよりは個人的な感想です。特に感覚に関わる点は個人的な差が大きいものなので、私の書いたことと異なる感じ方をされる方も多いかもしれませんことお断りしておきます。

社会的に重要な新しい専用親指シフトキーボード
このキーボードの最も大事な点は、親指シフトの専用キーボードの新しいモデルとして出てきたことである。親指シフトをよく知っている人なら、このキーボードは実は普通のJISキーボードで、キートップの文字を親指シフトに合わせたものにしただけだ、というのはすぐに分かる。それでも、親指シフト専用キーボードと銘打って製品化したということに大きな意義がある。
それなら、別に普通のキーボードのままでいいじゃないか、という声が聞こえそうだ。どうせタイピングをするときはキートップなど見ないからキートップの文字などどうでもいいなどというアホな議論は放っておいていい。小手先の間に合わせではなく、親指シフト専用キーボードとして世の中に出すというリスクをとった行動をまずはほめたい。なお、当初出荷されたモデルに些細な不具合(キーが少し沈んでいる)があったことに迅速に対応して、代替品を届けた(私もその対象となった)というのは責任ある態度だと思う。
このキーボードは現在amazonでは、2480円+配送料500円となっている。他の親指シフト専用キーボードからすれば大変安い。このため、このキーボードで親指シフトを試してみたいと思う人もいるかもしれない。


使ってみて
このキーボードは前述の通り、中身は基本的には普通のJISキーボードだから、親指シフトで使うには何らかのプログラム(親指シフトエミュレーター)が必要となる。私はJapanist2003の「快速親指シフト」を使った。各種OSでのエミュレータープログラムでも問題なく動くと思う。
キー配列はいわゆるNICOLA-J型である。一番大きな違いは後退(backspace)がデフォルトではNICOLA-F型のようなホームポジション右手小指の右になく、普通のJISキーボードのように最上段の一番右にあることだ。ただし、これは多くのエミュレーターの設定でNICOLA-F型の位置に動かすことができる。私は普段使っているキーボードがNICOLA-F型なので、少し使いにくい気がした。
キーのタッチに関しては、軽いものを選んだとされている。親指シフトユーザーは軽いタッチのキーを好む場合が多いのでこれは合理的だろう。ただ、実際に使ってみてのキータッチは必ずしも気持ちいいというところまではいかない。押し下げるのに少し抵抗があるキーもある感じだ。また、親指シフトキーの大きさや形状、場所も理想的とはいえない。
しかし、親指シフトユーザーのことを理解してその嗜好に合わせて選んできたという心意気は感じられる。ついでに言えば、一部のユーザーがほめているHHKBやRealforceといったキーボードだって、私が触った限りでは親指シフトに特に適しているとは感じられない。まあ、こうしたキーボードは別に親指シフトのことを考えて開発しているわけではないから当然で、これを小手先の間に合わせで親指シフトに合わせようとしてもおのずから限界がある。

総合的にみて
繰り返しになるが、このキーボードのすごいところは、とにかく親指シフトのことを考えた専用製品として出されたことだ。これだけの気合はなかなかない。一方で、私個人が使ってみての感想は、やはりいま一つの感じだ。キーのタッチなどの面で、長時間使うのは少しつらい。現在常用しているFMV-KB232やThumbTouchが使える限りはこのキーボードの出番はないと思う。
これまで使ってきた親指シフトキーボードとの比較でいえば、100点満点中50点というのが率直な感想である。
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親指シフトに関する言説を見分ける

親指シフトに関してはさまざまな人がいろいろなことを語っています。親指シフトユーザーの多様性を考えれば、その内容も多様であるのは当然です。だから、その内容についてもいろいろな切り口や見方があってしかるべきです。
ただ、親指シフトを人に勧めようという目的で書かれた場合には、それなりの責任が伴うことを考える必要があります。私が見るところ、親指シフトを愛することで目が眩んでか、少し外れたことをいっている場合もあります。
これまでの私の経験から、こうした発言にはいくつかのポイントがあり、それを判断材料にすると良いというのが分かってきました。以下、そうした点について解説します。

1. 親指シフトの効果について
親指シフトを人に勧めるのは、何らかの良いことがあるからでしょう。確かに、親指シフトは優れています。ただし、その効果は万能ではありません。「親指シフトを使えば文章作成が速くなる」程度ならまだしも、「親指シフトを使えば○○○が○倍になる!」とか、「親指シフトは×××対策に有効!」とか言い出すのは親指シフトを誤解させるものです。そのうち、「親指シフトはぼけ防止に役立つ」とか言い出さないかと心配です。
親指シフトは優れています。しかし、その効果は限られています。それを無理に広げようとするのは、ひいきの引き倒しにすぎません。

2. OS選択とのアナロジー
日本語入力として親指シフトを選ぶかどうかを、OS選択などと同じように論じることは間違っています。それは技術的、社会的背景が違っているからです。
さらに言えば、現在はOSの選択はそれほど大きな問題ではありません。それを大事なことのように言うのは、自分の好みを人に押しつけたいだけです。
親指シフトを選択することは、OSの選択とは次元の違う問題です。なぜなら、原理的には親指シフトはOSがなんであろうと効果を生むものだからです。
OSの選択は「浮世の義理としては大切かもしれないが本質的にはどーでもえー」ことです。それに気づかずに「windows最高!」とか「やっぱりlinuxだよね」とか「これからはchrome OSの時代よ」とか言う議論を、親指シフトを選択するかどうかよりも優先させる人は事の軽重が分かってない人です。

3. 専用キーボードについて
私には理解不能ですが、世の中には親指シフト専用キーボードを毛嫌いしている人がいるようです。人それぞれですから構いませんが、少なくとも人に勧めるに当たって、専用キーボードを触ったこともないのに、「専用キーボードは不要です」というのは、いかがなものかと思います。
親指シフトの30年以上の歴史で、親指シフト専用キーボードが途切れたことはありません。今も多くの人が専用キーボードで親指シフトを使っています。いわば、専用キーボードは親指シフトにおける基本であるといえます。だから、その存在を無視することは、「先行研究のレビューができていない」(私も研究者の端くれなのでこのような言い方をお許しください)のと同じなのです。
反専用キーボードの議論の根拠は私の見るところ、2点です。一つは汎用性、もう一つはコストです。
前者は「専用キーボードがないと親指シフトができないというのは親指シフトが使える状況を狭めている」というものです。これはもっともらしいですが、実は間違っています。なぜなら、巷間目にする「普通のキーボードを使って親指シフトにする」方法は、実は個別のハードに合わせたソリューションであり、別のハードに適用しようとすると、大きな変更をしなければならないからです。これに対して、専用キーボードは「人間にとっていつも同じインターフェース」を提供するもので、現在、たとえばOSの選択には関係なく使えます。つまり、専用キーボードを使えば親指シフトという常に同じインターフェースが使えるところは広いのです。
コストについては、そもそも「専用キーボードは高いから(それは事実)、やめた方がいい」という、人の財布を覗き込むような下品な言説に私はついていけないのですが、それはともかく、では専用キーボードを使わないことで節約された金はどこに使われるのでしょう。私が言いたいのは、親指シフトを使うためにコストをかけることをどのように考えるかです。
最後に、キーボードのような人間が直接触れて操作するものについては物理的特性が大事であることを強調しておきます。そのようなものについては、流用で想定していない使い方をした場合の問題点をきちんとクリアしないと、少なくとも人に勧めるようなことをしてはいけないと私は思います。

4. 「後退」キーの位置
これは問答無用(笑)。
以下のリンクをご参照ください。
https://www.facebook.com/groups/oyayubishift/permalink/791849414176313/
http://thumbshift.blog108.fc2.com/blog-entry-5.html

親指シフト動画追加

親指シフトでのタイピングがどのようなものなのかを見てもらうのに一番良いのはおそらく実物を使っているところを見てもらうことでしょう。そうは言っても親指シフトのユーザーを見つけることは大変困難なので次善の策としてタイピングの様子をビデオで公開しました。今回、今までのものに加えて新たなものを加えました。

親指シフト練習入門編
親指シフト練習初級編1
親指シフト練習初級編2
親指シフト練習中級編
親指シフト練習上級編1
親指シフト練習上級編2

私のタイピングは特に速いということでもありません。ですから、このビデオを見て「親指シフトってたいしたことないじゃない」と言わないでください。親指シフトを使って一番速い人はおそらく私の2倍以上だと思います。

今回のビデオの特徴は「親指シフト練習」というソフトを使っていることです。実を言うと、親指シフトのビデオを最初に公開したときも本当はこれを使いたかったのです。実際、これを使った様子を公開している方もいらっしゃいました。なぜそうしなかったかというと、このソフトが最近の環境(ウィンドウズ7)では使えなかったからです。

ところがフェースブックでの親指シフトグループのメンバーの方でこのソフトを使えるようにしてくれた方がいたのです。この経緯は以下のスレッドに書かれています。
http://www.facebook.com/groups/oyayubishift/494250897269501/

この練習ソフトはとてもよくできています。ホームポジションから始めて段階を経て自然に親指シフトを習得できるようになっています。親指シフトのことをよく理解しているだけでなく、学習者の心理も考慮したものです。

今回追加した動画は、この練習ソフトの良さを知ってもらいたいという狙いもあります。このソフトを使えるようにしてくれた方への感謝を表します。

フェイスブックの親指シフトグループなど

もうご存じの方もいるかもしれませんが、フェイスブックに親指シフトのグループができました。
http://www.facebook.com/groups/oyayubishift/
オープンなグループなので誰でもご覧になれます。メンバーになりたい場合はリクエストを送ればかなり早く承認されます。新しい交流の場ができたことを歓迎します。

このグループでのディスカッションをベースに親指シフトユーザーのためのJapanist2003設定というwikiを作成しました。
http://www32.atwiki.jp/japanist2003/
フェースブックでのかなり突っ込んだ議論を親指シフトユーザーになるべく分かりやすく提供することを考えています。こちらもオープンなものですので、どなたでも閲覧、編集ができます。

親指シフトは古いものですが、こうした新しいSNSを使ってまだまだ広げる余地があるのは楽しいものです。

親指シフトの歴史

よく知られている通り、親指シフトという技術は30年以上前に開発されました。そして、その基本的な構造を変えずに現在も使われています。

長い年月ですから親指シフトにはさまざまなことが起こってきたし、いろいろな試みがされてきました。技術的な面だけでなく、普及の試み、ユーザーの経験まで含めて、少し大げさにいえば歴史の重みがあるのです。

だから、親指シフトに関する何らかの試みはこうした歴史の経験を踏まえたものである必要があります。特に学ぶべきは「失敗の歴史」です。親指シフトがもっとも失敗しているのは「普及」だと私は考えます。失敗を繰り返さないようにするにはどうしたら良いかは歴史に聞くのが早道です。

もちろん、過去に失敗したことでも環境が変化したら改めてトライすることで成功するかもしれません。やってみないと分からないというのも歴史の本質です。ただ、これまでの経験に学ぶことなく、あまりにナイーブに親指シフトが良いということだけを言うだけでは、普及はおぼつかないのです。

普及というのは社会的な認知です。それを得るための戦略と戦術が親指シフトには必要なのです。

親指シフトはうるさいか

親指シフトにしろ、その他の方法にしろ、キーボードで文字を入力する時は人により癖があるようです。とりわけ、キーをたたく時にどのくらい音がするか、あるいは、どのくらい音がすると感じているかに違いが出るようです。

親指シフトユーザーとして知られている勝間勝代さんは、http://kazuyomugi.cocolog-nifty.com/private/2007/05/post_8015.htmlで、「ちなみに、専用キーボードの欠点としては、『打鍵がかなりうるさい』というのもあります」と述べています。

これに対してやはり親指シフトユーザーの姫野カオルコさんは、http://only5.himenoshiki.com/?eid=1157485で、「『やかましい』ということは断じてありません。むしろ他の方法より静かです。私なんか座敷わらしの足音みたいに静かにやってます。」と言っています。

親指シフトユーザーの感じ方としてどちらか正しいのか、あるいは多いのかは分かりませんが、https://twitter.com/K_akiya/statuses/169745977937379329で「速くて優雅な気配すらする」とほめられた(笑)私としては姫野さんの方に味方したくなります。(youtubeは無音ですが本当は音がしてますよ(笑)。音をとるのが面倒だったのでやらなかっただけです。でも、そんなにうるさいことはないですよ。)

皆さんはどう感じますか。

人間工学的な親指シフトキーボード

所有しているパソコンの一つにMacBook Proがあります。

この取扱説明書(「Everything Mac, Macのすべて」という名前がついています)を見ていたら、興味深い図を発見しました。
MBP取り扱い説明書


説明には「入力するときや、トラックパッドの使うときは、力を入れすぎないようにしましょう。手や指をリラックスさせてください。親指を手のひらの下に入れないように注意してください。」(強調は筆者)と書かれています。

これは親指シフトについて書かれたものではありません(MacBook Proに本当の親指シフトキーボードモデルが出たら!)。しかし、コンピューターを使う際の人間工学的に重要なポイントを述べています。

親指シフトは親指をフルに活用します。親指は他の指に比べて強いものの、なるべく負担が無いようにすることが望ましいのです。さらに、親指の使い方を間違えると手指の他の部分に悪影響を及ぼします。

ですから親指シフトキーボードはその用途に合ったものを選ぶことが大事です。それを最も簡単に実現するのは専用の親指シフトキーボードなのです。

新しいポメラが見させてくれた夢

前回の記事の追記で書いたように、新しいポメラを親指シフトの外付けキーボードとして使うことはできないようです。

これを残念だと思ったのは私だけでないようで、ツィッターではバブル崩壊とかお通夜モードといった声も出ています。

まあそこまで言うつもりはないですが、残念な気持ちはたしかにあります。それがどうしてかというのを少し考えてみました。前回の記事にも少し書いたのですが、もう少しそれを拡大して、親指シフトの歴史の中での位置づけ(大げさな)をしてみようと思います。

これは何回も言っているのですが、親指シフトが使えるところはずっと拡大しています。親指シフトが誕生したワープロ専用機の時代はそうではありませんでした。親指シフトを使うことは事実上、富士通のOASYSを使うことでした。これを模式的に示すと以下の通りです。
ワープロ専用機

ここで網がかかっているのが親指シフトを使えるところです。

現在はUSB親指シフト専用キーボードと各種のプログラムを使うとどのOSでも親指シフトを使えるようになりました。ただし、OSごとに日本語入力プログラムは違うため、OSを変えると使い勝手も変わるところがあります。これは次のように表せるでしょう。

現状


網がかかった、親指シフトを使えるところは全部に広がっています。色がついているところはユーザーにとって同じ使い勝手となることを示しています。つまり、親指シフトキーボードというハードウェアは共通に使えますが、共通性はIMEまでは広がっていない(図でいえば色がついていない)ことになります。

それでは新しいポメラがもし、親指シフトでの外付けキーボードとして機能したとするとどうなるでしょう。おそらく、次のようになるでしょう。共通の使い勝手となる部分(色付き)はIMEまでひろがっています。

将来


ヒューマン・インターフェースというものは使う人にとって一貫したものが望ましいと考えられます。一方で、さまざまなプラットフォーム(例えばOS)はそれぞれ得意のものがあるので、いろいろなプラットフォーム上での使い方を知っているとできることが拡大します。

一つのプラットフォームでしかできないことがあれば、そのプラットフォームでの仕事のし方を覚えなければいけません。しかし、プラットフォームによる作法の違いはユーザー・インターフェースの部分にまで影響を及ぼさないようにすることが望ましいのです。

新しいポメラを外付けの親指シフトキーボードとして使うという夢(残念ながら今回は実現していないのですが)の底にはヒューマン・インターフェースというものの本質があるのです。

「ポメラ」で親指シフトが!

株式会社キングジムのデジタルメモ「ポメラ」が親指シフトに対応するというビッグニュースがありました。
http://www.kingjim.co.jp/news/release/detail/_id_16873

ブログやツィッターでも大きな反響がありました。

まだ実際に発売にはなっていないので、詳細は分からないところもあります。親指シフト機としてみると、親指シフトキーの位置や大きさが必ずしも使い易そうでないことなど、私の第一感は少し微妙な感じですが、なにはともあれ富士通以外のメーカーから「親指シフト」という言葉を聞くことだけでも素晴らしいことです。ツイッターでもこれで親指シフトという名前を初めて聞いたという声も結構ありますから、宣伝効果ということでも大きなものがあったのはうれしいことです。

親指シフト以外の機能では、ブルートゥースで接続していろいろな機器の外付けキーボードとして使えるようです。親指シフトが使えるかは不明ですが、ぜひ対応してほしいと思います。

この機器を外付けキーボードとして使うということで、思ったことがあります。それはこの機器は日本語入力プログラムを内蔵しているということです。だから、もしいろいろなハードにつなげたときにこの日本語入力プログラムが使えるならば、ユーザーとのインターフェースはハードだけでなく日本語入力プログラムというソフトウェアのレベルまで統一したものにできることになります。

私はこれまで親指シフトが使える環境は実は広がってきているということを言ってきました。例えば、USB接続の親指シフト専用キーボードはウィンドウズにもマッキントッシュにもリナックスにも同じように使えます。ただ、すべてのOSで使う日本語入力プログラムを揃えることはなかなか難しいところがありました。ジャストシステムのATOKはどのOSにもあるのでそれを使うことはできると思いますが、細かな動作の違いなどはあるかもしれません。

しかし、もしこのポメラのようなものがすべてのOSのコンピューターとつなげるのだったら、親指シフトキーボードというハードウェアだけでなく日本語入力プログラムまでふくめて完全に統一したものにできます。これはヒューマン・インターフェースの考え方としてはとても望ましいものです。

ブルートゥースという統一的なインターフェースを採用することで、人間にも使いやすいものを設計することが可能になったのは興味深いところです。

今回のポメラが実際にこのような動作をするのかは現時点では分かりませんが、少なくともそのような可能性が見えてきたという点で、今回の発表は意義深いものがあります。

(追記)
残念ながら外付けキーボードとして使うときには親指シフトでは使えないようです。いつの日かそうなることを希望します。ヒューマン・インターフェースとしてはそれが自然なのですから。

テーマ : コンピュータ
ジャンル : コンピュータ

親指シフトの限界

私はこれまで親指シフトは使える環境を広げてきていると言ってきました。メーカーに縛られたワープロ専用機から汎用のパソコンへ、OSではウィンドウズからマッキントッシュ、リナックスなどへ、そしてまだ理論段階ですが日本語以外への適用と、親指シフトが有効である場面は増加してきています。

それでは親指シフトの広がりはどこが限界なのでしょう。おそらく親指シフトと一番相性が悪いのは「携帯性」です。これはある意味で当然で、親指シフトが人間の手指を使ってキーボードという物理的なものを操作するということから、使いやすいサイズは人間の物理的特性(特に大きさ)に制限されます。

たまたま最近になっていくつか携帯機器を使い始めたこともあり、それらを比較してみようと思います。特に日本語入力についても少し詳しく見ます。

現在、私が使っているコンピューターをサイズの小さいものからあげていくと、携帯電話(カシオW53CA)、PDA(iPod Touch)、タブレット(Iconia Tab A500)、ノートパソコン(Dell Vostro 1320MacBook Pro)、デスクトップ(ウィンドウズ、リナックス)となります。

これらのうちで親指シフトによる日本語入力を使っているのはデスクトップだけです。キーボードは富士通姓のUSB接続の親指シフト専用キーボードです。ノートパソコンは普通のJISかな配列のキーボードなのでローマ字入力です。タブレット、PDAでは画面に現れるソフトキーボードまたはフリック入力、携帯電話は普通のかなめくり方式です。

持ち歩きを前提としているものでは親指シフト入力はしていないことになります。これでもそれほど不自由は感じません。というか、出歩くような環境で長い文章を書く必要がない(実は、さぼっているだけかもしれませんが)からです。つまり、携帯性と親指シフトが使えるかどうかというのはトレードオフの関係にあるのです。

例えば、出張をするという場合にどんなものを持っていくかということを考えると、日帰り出張ならば携帯電話だけ、あるいはせいぜいPDAくらいまででしょう。1泊ならばタブレットないしノートパソコンをもっていくかもしれません。ちなみに、ネット接続にはWiMaxを使っています。

これがもし1ヶ月の出張だったなら、ノートパソコンは必須です。入力をどうするかですが、もしかしたらコンパクト型の親指シフトキーボードを持っていくかもしれません。本当に文字をたくさん入力しなければいけないとなれば、親指シフトキーボードがついたノートパソコンを買ってしまうかもしれません。

1年の出張だったらおそらく現在のデスクトップパソコンと親指シフト専用キーボードを送って現地で使うことになるでしょう。

結局何が言いたいかというと、いくら親指シフトが使いやすいとは言っても、その他の制約条件(この場合は携帯性)があるときは使えないことがあるということです。だから何がなんでも親指シフトというのも間違っているのです。

なお、携帯電話やandroid機器では外付けキーボードで親指シフトを実現する方法があります。これがどの程度実用的なのかは使う人の環境にもよりますが、面白い試みです。この場合でも、キーボードという物理的存在が必要だということは留意すべきでしょう。

親指シフトの最大公約数

日本語入力コンソーシアムによるNICOLAのJIS化提案 http://nicola.sunicom.co.jp/spec/jisdraft.htm を改めて眺めていて次のようなことを考えました。

それはキー配列に3つの案(J型、F型、A型)を示していることです。これはその当時の議論を反映していると思われます。すなわち「伝統的な」OASYSをベースにしたF型、JISかなキーボードとの親和性を考慮したJ型、英語キーボードとの親和性を考慮したA型という分類が可能です。

規格だから1種類で良いのではないかという考えもあるでしょうが、その当時の環境を考えるとあえて一つにまとめずそれぞれの可能性を示したということで、私は現実的な対応だったと思います。

同時に、3つの案の違いは周辺の記号や制御キーで、文字配列そのものの部分は共通しています。つまり、この部分はNICOLAの本質的な部分で、これが崩れるとNICOLAではなくなってしまうということを意味しています。

このような示し方は、記号や制御キーの配置に関する些細な意見の違いが本質的な部分に影響を及ぼさないようにするという意味でよくできたものだったと思います。

人間はともすれば本質的でない部分の細かな差異が気になり、それを過度に強調するあまり、本質的な部分での共通性を忘れてしまうことがあります。それは生産的でないし、親指シフトのようにメジャーでないものを普及させようとする場合に特に気をつけなければならないことなのです。

Japanist 2003 体験版(64bit)

一部で噂にのぼっていたJapanist 2003の64bit対応版が体験版として利用可能になりました。
http://software.fujitsu.com/jp/japanist/download/index9.html#experience
http://access-fs.com/FAQ/jpn2003_64.html

対応するキーボードはUSB接続のものです。またOSはWindows7です。

試用可能期間は2012年3月31日までとなっていますから、それまでには製品版が出ることが期待されます。

ずいぶん時間はかかりましたがこれで64bit対応も進んでいることが分かったのでほっとしている人も多いのではないかと思います。私自身は現在は64bitのウィンドウズは使っていませんが、将来買い換えたりするときに制約が少なくなるのはとてもありがたく感じます。まだまだ親指シフトは使えます!

ハングルでの親指シフト入力

親指シフトを日本語以外で使えないかというのは私の長年のペットプロジェクトです。
http://homepage3.nifty.com/gicchon/sub14.htm

いくつかの言語での応用例がありますが、いずれも理論レベルにとどまっていて実装までは進んでいません。実装のためにはプログラムを作らないといけませんが私にはそのようなスキルはありません。また、いくつかの言語については特許がとられているので、勝手にプログラムを作って発表はできません。

ところが特許には有効期限があります。私の特許法の理解が正しければ、出願から20年が特許法による保護期間なので、それを過ぎると公開された特許を使って実装をしても問題はないはずです。

例えばハングルでの親指シフトの特許は平成3年1月30日が出願日になっています。もう20年経っているわけで、この間、製品として出なかったのは発明者や特許権保持者にとっては残念なことなのでしょうし、親指シフト自体の普及も進まなかった証拠でもあるのも残念です。

しかし、この技術が特許による縛りなしに使えるようになったというのは朗報であるとも言えます。どなたか奇特な方が実装をしてくれないかな・・・などと勝手に妄想しています。

20年経ってもまだ有効な技術であるというのは親指シフトの素晴らしいところです。

ATOKに親指シフト?

twitterで「親指 シフト」(なぜか途中にスペースを入れないときちんと検索されない) が含まれるつぶやきをフォローしていたら、以下を発見。

これまたマニアックな…。検討します。できるかどうか本当にわかりません。RT @veirun: もし検討していただけるのでしたらついでにdvorakも…… RT @atok_js 親指シフトの方本当に多いですよね。


@moji2hazukas はい。開発チームにも親指シフトファンがいるので、どこかで対応できればと思います。


これはどちらもATOK_JS、つまりジャストシステムの中の人のものです。

実際に親指シフトがサポートされるかどうかは「できるかどうか本当にわかりません。」ということですし、これは経営判断の問題でもあるので、必ずしも決まったわけではありません。それでもこのような話を聞くと何となくうれしくなってしまうのは親指シフトユーザーの宿命でしょうか。

Mac Fan 1月号に親指シフトの記事

ツィッターで親指シフトのことがMac Fanの1月号で取り上げられていると知り、早速買って確認しました。

文章の入力速度が落ちてきたライターの方が親指シフトに挑戦しています。1ページ全部を使って親指シフトの入力の仕方などについて説明がされています。

使用した環境は、「サムタッチFKB7628-801」とトリニティワークス社の専用ドライバー「ニコラK」となっています。これだと4万円程度とかなりの出費になってしまいます。記事でも「興味はあっても元『親指シフター』でもないかぎり、習熟できるかどうかわからない親指シフトキーボードを買うわけにはいかないだろう。」と書かれています。これを考慮して、コストのかからない「テスラ」を使う方法も紹介しています。

私が興味を持ったのは、親指シフトを覚えるのが大変だったかということに関して「実際に挑戦してみると、30歳も半ばを過ぎて固くなった頭では覚えられない…と思ったらそうでもなかった。キーボードは体で覚えるものだからだろう。」と書かれていることです。

親指シフトを覚えるのがどの程度大変かについては、人によりかなり意見の違いがあるように思われます。おそらく練習のしかたや環境によるところも大きいのでしょう。それですから、これから親指シフトを習おうとする人に対して、あまり安請け合いして簡単に覚えられると言ってはいけないのでしょう。しかし、同誌の記事のような例もあると知っておくことは良いことだと思います。

記事の最後は「元親指シフターだった人もこれからチャレンジしてみたい人も、試してみてはいかがだろうか?」と、うれしい前向きの文章で締めくくられています。マッキントッシュで親指シフトを使う人はそんなに多くないのかもしれませんが、それでもこのような情報があることは心強いものがあります。

新親指シフトキーボード・サムタッチ発売記念プレゼン(笑)

早いもので携帯型親指シフトキーボード・サムタッチが発売になってもう2カ月以上になります。どのくらい売れているかなどは分かりませんが、ブログの記事などを見るとまずまずの滑り出しのようです。これまで親指シフトを取り上げたことがなかったメディアなどで記事を目にすることもあり、これが実際のユーザー増につながれば良いなと思っています。

親指シフトのセールスマン(笑)としても、この機会に何か親指シフトの普及に役立つことをしなければいけないなと思いつつも、できることは限られていて忸怩たる思いです。

それでも何かできないかと、少ない知恵を絞って、親指シフト売り込みのための販促資料(笑)を作ってみました。パワーポイントのスライドで、要点しか書いていないので分かりにくいと思いますが、昔習ったプレゼンの作り方では一つのスライドに入れて良いのは7行までと教わったので、なるべくそれを守るようにしました。ご要望があれば、どこでも説明に行きますが(笑)、まあそんな奇特な人はいないでしょうね。この資料が少なくとも親指シフト普及の妨げにならないことを願っています。





親指シフトとピアノの違い

私が持っている親指シフト関係のブログで一番古い「親指シフトウォッチ」の昔の記事を見ていてはたと気がついたことがありました。

その記事というのは
http://thumb-shift.txt-nifty.com/contents/2008/02/re_203we_love_2_5416.html
なのですが、その中で引用されていた次の文章が目につきました。

このことを、指を多用するプロのピアニストに直接聞いてみたら、よいシフト方法ではないと言っていました。キーボードのシフトに親指を使うと、小指を使うのと違って、手全体がの動きが制限されてし(ま)うために、各指の独立性が損なわれてしまうのだそうです。



ピアノも「キーボード」で、両手のすべての指を使いますから親指シフトと同じように考えられないことはありません。

しかし、親指シフトキーボードとピアノの指の使い方で全く異なるものがあります。それは親指の機能です。

ピアノにおいては、親指は他の指と同様に、どの音を出すかを決める役割を持っています。ですから、親指の運指も正確でなければなりません。他の指と一緒に動かす場合、親指の位置が固定されると使いにくいものとなります。上記の引用にある「手全体の動きが制限されてし(ま)う」とピアニストの方が言うのも当たっています。

しかし、親指シフトにおいては親指は単にシフト(同時打鍵)をするかどうかだけの機能しか持っていません。他の指はどのキーを押すかを決めないといけないので、正確な運指が要求されます。親指はシフトをするかどうかだけを決めればいいので、キーボードの物理的制約(親指シフトキーの範囲)の中で、どこを押しても良いわけです。指がキーに触れる場所も、親指以外は指先ですが、親指シフトにおける親指は指の外側の腹となっています。

こうした違いのために、親指シフトはピアノと同じに論ずることはできないのです。

逆に言うと、親指シフトにおいては、これまで述べたような親指の動きの揺れを許容するようなキーボードが必要になります。具体的には、中央部分に位置し、ある程度の大きさを持った親指シフトキーが使いやすい親指シフトキーボードの必須の条件となります。

これが親指シフトキーボードに求められる条件なのだと私は考えます。専用キーボードはこの条件を満たすための一番の近道なのです。

携帯型親指シフトキーボード・サムタッチ(FAQ)

表参道にある富士通専門店「アクセス」さんのサムタッチのページにFAQがあります。少し前まで「しばらくお待ちください」だったのが、いつのまにか更新されていました。
http://www.saccess.co.jp/oasys/fkb7628.html

その中に次のものがありました。

Macintoshでは使えませんか?
→ トリニティーワークス(有)様の「NicolaK」をお試し下さい。

それと同時にトリニティーワークス(有)へのリンクがありました。これはすばらしいことです。

今回の新しい親指シフト専用キーボードは、製造元が動作を保証しているのはウィンドウズ環境で、しかもJapanistが必要とされています。
しかし、親指シフトを使いたい人は他の環境でも使いたいのです。マッキントッシュでもリナックスでもです。しかし、このような環境での親指シフト使用については、もともと少ない親指シフトの情報がさらに少なくなります。

今回、このような形でマッキントッシュでも使えることを明記したことは親指シフトの普及という点からは大変重要な一歩です。単にハードウェアを売るだけでなく、このような使いこなしの情報も提供することで、親指シフトに対するコミットメントを明確にしたことは、これまで親指シフトの普及に尽力してきたアクセスさんの見識です。

携帯型親指シフトキーボード・サムタッチ(続き)

携帯型親指シフトキーボードFKB7628-801(サムタッチ)のインプレッション続きです。

サムタッチは基本的にFMV-KB232と同じ動作をします。ただ、両者は大きさの違いがあるため、機能キーの有無や配置が違っています。この違いが使い勝手にどのように影響しているかを検証してみることにします。必要に応じ、その他の親指シフトキーボードとの比較も書きます。

1. テンキーの有無
サムタッチでまず気づくのがテンキーがないことです。携帯型ですからこれは当然ではありますが、デスクトップで使うときに大量の数字入力をする場合には、テンキーを別途用意した方が良いでしょう。テンキーにはUSB端子が付いているものもあるので、そこにサムタッチをつなぐのも良いかもしれません。
なお、ノートパソコンにあるようなNumLockで文字キーの一部をテンキーのようにして使う機能は無いようです。

2. PgUp, PgDn, Home, Endキー
これらは独立のキーではなく、カーソルキーとFnキーを併用することで入力されるようになります。これもキーボードを小さくするためには必要だったのでしょうが、人によってはこれらがワンタッチで入力できないことを気にする人がいるかもしれません。

3. ウィンドウズキーとコンテクストメニューキー
左下のCtrlキーとAltキーの間にFnキーが入ったので、よくここに置かれているウィンドウズキーは右下Ctrlキーとカタカナ・ひらがなキーの間にあります。コンテクストメニューキーは最上段の右から4つ目にあります。
かつてのFMV-KB231では、ウィンドウズキーとコンテクストメニューキーの両方を右下に置いたため、大変窮屈な配置になっていて、使い勝手を損なっていたことと比べると大変良くなっています。なお、FMV-KB232では、Fnキーは必要ないので、ウィンドウズキーは左下に置かれています。

4. Deleteキー、F1~F12キー
これはFKB8579-661では独立していなかったため、かなり不満があったところで、サムタッチでの「売り」の一つにもなっています。これでCtrl+Alt+Deleteも(あまりやりたくないことですが)やりやすくなります。

とりあえずこのようなところでしょうか。

携帯型親指シフトキーボードFKB7628-801(サムタッチ)ファーストインプレッション

この夏、親指シフト関係者の話題は携帯型親指シフトキーボードFKB7628-801(サムタッチ)に集中していた感があります。私も楽しみにしており、注文もしてありました。

そして待ちに待ったものが届いたのです。3日(金)の朝一番には家に配達されていたのですが、その後、いろいろ忙しくてじっくり試してみることができませんでした。やっとのことで今日、普段使っているウィンドウズ7のパソコンにつないで、使えるようにしました。Japanist2003もアップデートして準備万端整えてこれまでのFMV-KB232から付け替えると、何の問題もなく同じ使い勝手で使えるようになりました。

以下はとりあえずのファーストインプレッションです。

1. キーのタッチは少し硬め、かつ、力も少しいる感じですが、ノートパソコンのキーボードのようにキーストロークが短いので、決定的な弱点にはなっていません。

2. 親指シフトキーは他のキーよりも少し高くなっています。親指シフトユーザーの間でも、親指シフトキーの高さや形状についてはさまざまな議論がありますが、このキーボードに関してはちょうど良い高さに感じられます。キーボード自体の厚みをこれだけにおさえる中で、この厚みをつけることは冒険だったかもしれません。実際、試作品段階のものは、これほどの厚みはなかったようです。

FMV-KB232のように、キーボード自体の厚みがかなりあるものについては親指シフトキーをあまり高くしていません。二つのキーボードのアプローチは少し違うのかもしれません。

3. キーボード全体はとても薄く、軽くなっています。「携帯型」というのはまさしくその通りだけ思います。実際に持ち歩いて使うために、二つのことをしてほしいなと思っています。一つは、携帯用の軽くて丈夫なケースがほしいことです。以前販売されていたFKB8579-661はHHK用のケースがぴったりだったので、今回もそのようなものがあるとうれしいですね。もう一つは、あちこちでパソコンにつないで使うためのノウハウを提供してほしいと思います。

4. キーボードの色は少し青みがかかった感じで、左右が色が違っています。全く個人的な趣味ですが、富士通コンポーネント社はFKB1424 モニカFCというきれいな色をしたキーボードを出しているのだから、色のバリエーションもあるとうれしいですね(笑)。

とりあえず今のところはこの程度です。
プロフィール

SugitaNobuki

Author:SugitaNobuki
杉田伸樹(ぎっちょん)
親指シフトの普及活動を続けています。
約38年の公務員生活を終え、現在は大学教員です。

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