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親指シフトに関する言説を見分ける

親指シフトに関してはさまざまな人がいろいろなことを語っています。親指シフトユーザーの多様性を考えれば、その内容も多様であるのは当然です。だから、その内容についてもいろいろな切り口や見方があってしかるべきです。
ただ、親指シフトを人に勧めようという目的で書かれた場合には、それなりの責任が伴うことを考える必要があります。私が見るところ、親指シフトを愛することで目が眩んでか、少し外れたことをいっている場合もあります。
これまでの私の経験から、こうした発言にはいくつかのポイントがあり、それを判断材料にすると良いというのが分かってきました。以下、そうした点について解説します。

1. 親指シフトの効果について
親指シフトを人に勧めるのは、何らかの良いことがあるからでしょう。確かに、親指シフトは優れています。ただし、その効果は万能ではありません。「親指シフトを使えば文章作成が速くなる」程度ならまだしも、「親指シフトを使えば○○○が○倍になる!」とか、「親指シフトは×××対策に有効!」とか言い出すのは親指シフトを誤解させるものです。そのうち、「親指シフトはぼけ防止に役立つ」とか言い出さないかと心配です。
親指シフトは優れています。しかし、その効果は限られています。それを無理に広げようとするのは、ひいきの引き倒しにすぎません。

2. OS選択とのアナロジー
日本語入力として親指シフトを選ぶかどうかを、OS選択などと同じように論じることは間違っています。それは技術的、社会的背景が違っているからです。
さらに言えば、現在はOSの選択はそれほど大きな問題ではありません。それを大事なことのように言うのは、自分の好みを人に押しつけたいだけです。
親指シフトを選択することは、OSの選択とは次元の違う問題です。なぜなら、原理的には親指シフトはOSがなんであろうと効果を生むものだからです。
OSの選択は「浮世の義理としては大切かもしれないが本質的にはどーでもえー」ことです。それに気づかずに「windows最高!」とか「やっぱりlinuxだよね」とか「これからはchrome OSの時代よ」とか言う議論を、親指シフトを選択するかどうかよりも優先させる人は事の軽重が分かってない人です。

3. 専用キーボードについて
私には理解不能ですが、世の中には親指シフト専用キーボードを毛嫌いしている人がいるようです。人それぞれですから構いませんが、少なくとも人に勧めるに当たって、専用キーボードを触ったこともないのに、「専用キーボードは不要です」というのは、いかがなものかと思います。
親指シフトの30年以上の歴史で、親指シフト専用キーボードが途切れたことはありません。今も多くの人が専用キーボードで親指シフトを使っています。いわば、専用キーボードは親指シフトにおける基本であるといえます。だから、その存在を無視することは、「先行研究のレビューができていない」(私も研究者の端くれなのでこのような言い方をお許しください)のと同じなのです。
反専用キーボードの議論の根拠は私の見るところ、2点です。一つは汎用性、もう一つはコストです。
前者は「専用キーボードがないと親指シフトができないというのは親指シフトが使える状況を狭めている」というものです。これはもっともらしいですが、実は間違っています。なぜなら、巷間目にする「普通のキーボードを使って親指シフトにする」方法は、実は個別のハードに合わせたソリューションであり、別のハードに適用しようとすると、大きな変更をしなければならないからです。これに対して、専用キーボードは「人間にとっていつも同じインターフェース」を提供するもので、現在、たとえばOSの選択には関係なく使えます。つまり、専用キーボードを使えば親指シフトという常に同じインターフェースが使えるところは広いのです。
コストについては、そもそも「専用キーボードは高いから(それは事実)、やめた方がいい」という、人の財布を覗き込むような下品な言説に私はついていけないのですが、それはともかく、では専用キーボードを使わないことで節約された金はどこに使われるのでしょう。私が言いたいのは、親指シフトを使うためにコストをかけることをどのように考えるかです。
最後に、キーボードのような人間が直接触れて操作するものについては物理的特性が大事であることを強調しておきます。そのようなものについては、流用で想定していない使い方をした場合の問題点をきちんとクリアしないと、少なくとも人に勧めるようなことをしてはいけないと私は思います。

4. 「後退」キーの位置
これは問答無用(笑)。
以下のリンクをご参照ください。
https://www.facebook.com/groups/oyayubishift/permalink/791849414176313/
http://thumbshift.blog108.fc2.com/blog-entry-5.html
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親指シフトの歴史

よく知られている通り、親指シフトという技術は30年以上前に開発されました。そして、その基本的な構造を変えずに現在も使われています。

長い年月ですから親指シフトにはさまざまなことが起こってきたし、いろいろな試みがされてきました。技術的な面だけでなく、普及の試み、ユーザーの経験まで含めて、少し大げさにいえば歴史の重みがあるのです。

だから、親指シフトに関する何らかの試みはこうした歴史の経験を踏まえたものである必要があります。特に学ぶべきは「失敗の歴史」です。親指シフトがもっとも失敗しているのは「普及」だと私は考えます。失敗を繰り返さないようにするにはどうしたら良いかは歴史に聞くのが早道です。

もちろん、過去に失敗したことでも環境が変化したら改めてトライすることで成功するかもしれません。やってみないと分からないというのも歴史の本質です。ただ、これまでの経験に学ぶことなく、あまりにナイーブに親指シフトが良いということだけを言うだけでは、普及はおぼつかないのです。

普及というのは社会的な認知です。それを得るための戦略と戦術が親指シフトには必要なのです。

親指シフトはうるさいか

親指シフトにしろ、その他の方法にしろ、キーボードで文字を入力する時は人により癖があるようです。とりわけ、キーをたたく時にどのくらい音がするか、あるいは、どのくらい音がすると感じているかに違いが出るようです。

親指シフトユーザーとして知られている勝間勝代さんは、http://kazuyomugi.cocolog-nifty.com/private/2007/05/post_8015.htmlで、「ちなみに、専用キーボードの欠点としては、『打鍵がかなりうるさい』というのもあります」と述べています。

これに対してやはり親指シフトユーザーの姫野カオルコさんは、http://only5.himenoshiki.com/?eid=1157485で、「『やかましい』ということは断じてありません。むしろ他の方法より静かです。私なんか座敷わらしの足音みたいに静かにやってます。」と言っています。

親指シフトユーザーの感じ方としてどちらか正しいのか、あるいは多いのかは分かりませんが、https://twitter.com/K_akiya/statuses/169745977937379329で「速くて優雅な気配すらする」とほめられた(笑)私としては姫野さんの方に味方したくなります。(youtubeは無音ですが本当は音がしてますよ(笑)。音をとるのが面倒だったのでやらなかっただけです。でも、そんなにうるさいことはないですよ。)

皆さんはどう感じますか。

親指シフトの限界

私はこれまで親指シフトは使える環境を広げてきていると言ってきました。メーカーに縛られたワープロ専用機から汎用のパソコンへ、OSではウィンドウズからマッキントッシュ、リナックスなどへ、そしてまだ理論段階ですが日本語以外への適用と、親指シフトが有効である場面は増加してきています。

それでは親指シフトの広がりはどこが限界なのでしょう。おそらく親指シフトと一番相性が悪いのは「携帯性」です。これはある意味で当然で、親指シフトが人間の手指を使ってキーボードという物理的なものを操作するということから、使いやすいサイズは人間の物理的特性(特に大きさ)に制限されます。

たまたま最近になっていくつか携帯機器を使い始めたこともあり、それらを比較してみようと思います。特に日本語入力についても少し詳しく見ます。

現在、私が使っているコンピューターをサイズの小さいものからあげていくと、携帯電話(カシオW53CA)、PDA(iPod Touch)、タブレット(Iconia Tab A500)、ノートパソコン(Dell Vostro 1320MacBook Pro)、デスクトップ(ウィンドウズ、リナックス)となります。

これらのうちで親指シフトによる日本語入力を使っているのはデスクトップだけです。キーボードは富士通姓のUSB接続の親指シフト専用キーボードです。ノートパソコンは普通のJISかな配列のキーボードなのでローマ字入力です。タブレット、PDAでは画面に現れるソフトキーボードまたはフリック入力、携帯電話は普通のかなめくり方式です。

持ち歩きを前提としているものでは親指シフト入力はしていないことになります。これでもそれほど不自由は感じません。というか、出歩くような環境で長い文章を書く必要がない(実は、さぼっているだけかもしれませんが)からです。つまり、携帯性と親指シフトが使えるかどうかというのはトレードオフの関係にあるのです。

例えば、出張をするという場合にどんなものを持っていくかということを考えると、日帰り出張ならば携帯電話だけ、あるいはせいぜいPDAくらいまででしょう。1泊ならばタブレットないしノートパソコンをもっていくかもしれません。ちなみに、ネット接続にはWiMaxを使っています。

これがもし1ヶ月の出張だったなら、ノートパソコンは必須です。入力をどうするかですが、もしかしたらコンパクト型の親指シフトキーボードを持っていくかもしれません。本当に文字をたくさん入力しなければいけないとなれば、親指シフトキーボードがついたノートパソコンを買ってしまうかもしれません。

1年の出張だったらおそらく現在のデスクトップパソコンと親指シフト専用キーボードを送って現地で使うことになるでしょう。

結局何が言いたいかというと、いくら親指シフトが使いやすいとは言っても、その他の制約条件(この場合は携帯性)があるときは使えないことがあるということです。だから何がなんでも親指シフトというのも間違っているのです。

なお、携帯電話やandroid機器では外付けキーボードで親指シフトを実現する方法があります。これがどの程度実用的なのかは使う人の環境にもよりますが、面白い試みです。この場合でも、キーボードという物理的存在が必要だということは留意すべきでしょう。

親指シフトの最大公約数

日本語入力コンソーシアムによるNICOLAのJIS化提案 http://nicola.sunicom.co.jp/spec/jisdraft.htm を改めて眺めていて次のようなことを考えました。

それはキー配列に3つの案(J型、F型、A型)を示していることです。これはその当時の議論を反映していると思われます。すなわち「伝統的な」OASYSをベースにしたF型、JISかなキーボードとの親和性を考慮したJ型、英語キーボードとの親和性を考慮したA型という分類が可能です。

規格だから1種類で良いのではないかという考えもあるでしょうが、その当時の環境を考えるとあえて一つにまとめずそれぞれの可能性を示したということで、私は現実的な対応だったと思います。

同時に、3つの案の違いは周辺の記号や制御キーで、文字配列そのものの部分は共通しています。つまり、この部分はNICOLAの本質的な部分で、これが崩れるとNICOLAではなくなってしまうということを意味しています。

このような示し方は、記号や制御キーの配置に関する些細な意見の違いが本質的な部分に影響を及ぼさないようにするという意味でよくできたものだったと思います。

人間はともすれば本質的でない部分の細かな差異が気になり、それを過度に強調するあまり、本質的な部分での共通性を忘れてしまうことがあります。それは生産的でないし、親指シフトのようにメジャーでないものを普及させようとする場合に特に気をつけなければならないことなのです。
プロフィール

SugitaNobuki

Author:SugitaNobuki
杉田伸樹(ぎっちょん)
親指シフトの普及活動を続けています。
約38年の公務員生活を終え、現在は大学教員です。

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