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親指シフトが使える環境とは何か(続き)

前のポスト に書いた通り、親指シフトが使える環境、というのを定義することは結構面倒くさい。
それならば、どのようなことがポイントになるのだろうか。それは、使う人と親指シフトとの関係による。
特定のハードウェア(特にキーボードが固定されているようなノートパソコンのたぐい)で親指シフトを使いたい、というのだったら現状では大きな困難を伴う。それだけではない。ハードウェアを変える度に、新たな環境構築に多大な労力を注ぐ必要がある。あらたなキーボードに手が慣れるのにも時間がかかる。だから、このような方向で親指シフトを使おうとしている人の多くは、「このパソコンが、親指シフトにはおすすめ」とか「親指シフトをやるんだったらこのパソコンでないとダメ」とか「親指シフトが使えるこのパソコン万歳!」といったことを言いがちになる。こうした言い方が、「親指シフトはどれでも使えますよ」ということとは矛盾することに気づいているのだろうか。
これと反対に、ThumbTouchなどの専用キーボードを使えば、事実上すべてのパソコン、スマホ、タブレットなどで親指シフトを使える。もちろん、この場合は、使うキーボードは固定されているから、先ほどのようなやり方で親指シフトをやっている人たちからは「専用キーボードがないと親指シフトができないというのは親指シフトの使えるところを狭めている」と批判されることになる。
世の中はすべてトレードオフがある。だから、この両者のどちらが絶対的に優れているということはできない。しかし、使う人と親指シフトとの関係という視点で見れば、実際に手に触れるところが一貫していることの重要性は強調しすぎることはない。そうした見方をすれば、どちらが親指シフトの本質的な価値をとらえているかは明らかである。
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親指シフトが使える環境とは何か

親指シフトによる入力は広くサポートされていない。このため、親指シフトユーザーにとっては「どのような環境ならば親指シフトを使えるか」というのは大きな関心事である。このような環境でもこのようにすれば親指シフトが使えるようになる、といった情報交換もあちこちでされている。
しかし、「親指シフトが使える」という言葉はそれほど簡単に定義できない。なぜかといえば、「親指シフト」でイメージするものが人により違うからである。
たとえば、ThumbTouchを使って親指シフト入力をしたい、というのだったら、「かえうち」、「OyaConv」「USB2BT+」などを使えば、事実上ほとんどのパソコン(Windows, Mac, Linux, ChromeOSなど)、スマホ(Android, iOSなど)、タブレット(Android, iPadOSなど)で親指シフトは使える。USBまたはBlueToothと日本語ローマ字入力ができれば、ほぼ実用的に使うことができる。
しかし、ポータブル端末に付属しているキーボードなどで親指シフトを使いたいのだったら、基本ソフトごとのソフト的な解決策が必要になる。それが用意されていない場合は「親指シフトは使えない」となる。
言いたいことは何かというと、「親指シフトが使える」といった簡単に見える表現でも、きちんと定義をしておかないと、意味のある議論はできない、ということだ。これは親指シフトうんぬん以前の「議論の作法」ができているかの問題である。

富士通が親指シフト関係の諸製品を終了させる

5月19日に発表された、富士通が親指シフト関係の諸製品を終息させることにしたというニュースは親指シフトに何らかの関わりを持つ人たちに、大きな衝撃を与えた。発表当初のやや混乱した状況から少し落ち着いた今、このニュースの意味を考えてみたい。

1. このニュースは社会的なものである
まず、このニュースは社会的なものであることを理解しないといけない。つまり、親指シフトに対する社会的認知の重要な指標である「工業製品として供給されるかどうか」が大きく変化することである。この面で見れば、簡単に言えば親指シフトは社会的には終了した、あるいは、終了への日程が確定したということだ。

2. 親指シフトを使っている個人にとっての影響はおそらくそれほど大きくない
社会的に終了した親指シフトであるが、親指シフトを使っている個人にとっての影響は実はそれほど大きくない。今回の決定で一番大きな影響を受けると考えられる、親指シフト専用キーボード、Japanist、OASYSを使っているユーザーでも、今後結構長い期間、今のままの環境で使い続けることができる。これは次の記事がとても分かりやすく説明してくれている。
https://kiyoto-y.hatenablog.com/entry/2020/05/22/021715?fbclid=IwAR2HK8t4C_cARGue51aXfkVFXK3WBTp7v7xVIZ7ZkSIP3tttR3c8j5VL930
このようなユーザーからは発表当初は悲鳴にも似たレスポンスがあったが、事態が落ち着くにつれて、そうした声もなくなってきている。昔からの親指シフトユーザーはこれまでもこうした危機を乗り越えてきている(そうせざるを得なかった)から、度胸がすわっている。
親指シフト専用キーボード、Japanist、OASYSを使っていないユーザーにとっては、まったく変化がないので、別にどうでも良い話である。ところが、こうしたユーザーは、今回のニュースのあと「親指シフトは終わっていない」とわざわざ発信している例がある。関係ないから別にどうでも良いはずなのに、こうしたことをあえて言っているのには、訳がある。これを次に考えてみたい。

3. 「親指シフト=意識高い系」マーケティングは破綻した
親指シフトをプロモートしている人たちの中に、「親指シフトを使うのは生産性向上に余念がなく意識が高いからだ」といった意識が透けて見えることがある。こうした人たちにとっては、今回のニュースで「親指シフトってもうオワコンじゃない」と思われることは自分のビジネスモデルの破綻になるし、「終わったものにしがみついているなんてwww」と笑われることは我慢がならない。だから痺れを切らして「終わってない」と言い張らざるを得ない。まあ、大半の人にとってはどうでもいい話だけど。

Japanistを使っていると単語登録をあまりしないこと

これはfacebookの親指シフトグループに書いたことですが、Japanistと親指シフト専用キーボードを使って入力をする場合、入力予測がとても強力で使いやすいことに気がつきました。
https://www.facebook.com/groups/oyayubishift/permalink/2007972305897345/
詳しいことはそちらを見てほしいのですが、これに関連して、もう一つ気がついたことがあります。
それは、この組み合わせで使っていると、単語登録をほとんどしないことです。なぜかと考えてみましたが、まず、Japanistは変換履歴を尊重する傾向が強いので、変換結果が同じなら、改めて単語登録をする必要がないことです。
また、入力予測があるので、少し長いフレーズや文章でも、わざわざ登録をしなくても予測候補として現れてきます。
これは、操作をとても自然なものとしています。
往々にして、符丁のような短縮フレーズを使って単語登録をしてしまうと、忘れてしまったり、あるいは、とんでもないところで変な変換候補が現れてしまうことがあり、これは大変なストレスとなります。
親指シフトを使うと、入力作業はなんでも簡単にしたくなる気分になります。ずっと昔に、英文を入力するのに切り替えが面倒なのでたとえばAを打つのに、「えー」と打って変換させた人がいる、と聞いて、確かに指を使いやすいところから動かしたくない気持ちは分からないでもないが、これは反対に面倒なのではないか、と思ったことがあります。
英文を打つのだったら、「英数」キーを押して、完全に英語モードにしてしまったほうが自然です。特に、ある程度の分量の英文を入力するのだったら、なおさらです。
親指シフト専用キーボードとJapanistだったら、英文モードは普通の英語入力に完全に対応しています。さまざまな記号も普通に打てます。これは、親指シフト専用キーボードが「無理をしていない」ことによるものだと思っています。

フェイスブックの親指シフトグループなど

もうご存じの方もいるかもしれませんが、フェイスブックに親指シフトのグループができました。
http://www.facebook.com/groups/oyayubishift/
オープンなグループなので誰でもご覧になれます。メンバーになりたい場合はリクエストを送ればかなり早く承認されます。新しい交流の場ができたことを歓迎します。

このグループでのディスカッションをベースに親指シフトユーザーのためのJapanist2003設定というwikiを作成しました。
http://www32.atwiki.jp/japanist2003/
フェースブックでのかなり突っ込んだ議論を親指シフトユーザーになるべく分かりやすく提供することを考えています。こちらもオープンなものですので、どなたでも閲覧、編集ができます。

親指シフトは古いものですが、こうした新しいSNSを使ってまだまだ広げる余地があるのは楽しいものです。
プロフィール

SugitaNobuki

Author:SugitaNobuki
杉田伸樹(ぎっちょん)
親指シフトの普及活動を続けています。
約38年の公務員生活を終え、現在は大学教員です。

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