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親指シフトを使うこれだけの理由(と使わない唯一の理由)

親指シフトを使うべき技術的な理由(打鍵数や入力スピード)については説得的なデータがあり、多くの人が言及もしています。ここでは少し視点を変えて、親指シフトに関しての俗説の類について考えてみました。日本語入力の問題を考えるヒントになればと思います。

1. ビデオのVHSとβと同じように複数の規格があることは非合理でいずれ多数派に統一されるから少数派の親指シフトは意味がない。

たしかに親指シフトは少数派です。そういう意味ではVHS対βの規格争いにおけるβのように見えるかもしれません。しかし、この対比の仕方こそまったく間違ったものなのです。これを以下、検証してみましょう。

VHSとβでは最終成果物(この場合はビデオカセット)の形状等が違っていて、両者には互換性がありません。したがって、どちらの規格を使うかは最終成果物を使用する者にとっては決定的な意味を持ちます。反対に、テレビ番組を見る一般の人にとってはテレビ局のビデオ規格がなんであるかは関係ありません。 テレビ局での方式がVHSだろうがβだろうがデジタルビデオだろうが見えれば良いわけだし、家庭のビデオに録画しようという場合でも問題ありません。

そうした見方からキーボード入力の問題を考えて見ましょう。ワープロやパソコンを使って作られた文書が印刷されたりホームページになったものを見て、その入力が親指シフト、JISカナ、ローマ字カナあるいは他の方式でされたか分かる人がいたらお目にかかりたいものです。

親指シフトを使おうがローマ字カナ入力を使おうができたものは同じになるのは当然です。親指シフトで入力したワードのファイルをローマ字入力の人が使い回しすることもできます。こうしたここにはっきりとVHS対βとの違いがあります。

要するに、入力方式の選択は、単に「文章の作成という最終目的に到達するのにどういうやり方が一番楽か」というきわめて簡単な問題なのです。それだとしたら、最も重要な問題は、作り手である人間にとって一番使いやすいものを選択するということではないでしょうか。

2. 日本独自の規格で国際的標準とはかけ離れていることで不利になったり、国際的摩擦の原因になったりしませんか。

確かに親指シフトは日本独自のものです。でも、これは例えばJISカナでも同じです。さらに言えば、英語のキーボードを使ったからといって、日本語を入力するのだから英語を入力するのとは異なります。

自国の言語構造に合わせたキーボードを使うことはそれこそ世界各国やっていることで、別にこんなことにめくじらを立てる人はおりません。敢えて言えば、開発途上国ほど本家のもの(英語のキーボード)をそのまま使っている傾向があるのではないかと思います。こうした国では自分たちに合ったものを開発するリソースも人材もないからしょうがありません。

3.JISで決まった規格があるのにそれから外れたものを作るのはけしからん。こういうことをするから日本の情報化は進まないのだ。

はっきりいって何をかいわんやですね。こういうことを言う人は全く物の道理が分かっていないと判断せざるをえません。入力方式の選択はきわめて個人的なものであり、そこに規格という網をかけること自体の無意味なことを理解する必要があります。使いにくいものが規格だからという理由だけで他を排除するのならば規格自体の正統性が問われます。実際にキーボードのレイアウトでは新JISというのが一時期ありましたが、結局全然普及せず現在は廃止になっています。

4. そうは言ったって、使っている人が少ないからキーボードも高いし情報も少ないし・・・。

その通りです。既成事実とは恐ろしいもので、だれも逆らうことができません(社会現象の断続平衡仮説?)。これだけが、親指シフトを使わない唯一の理由かと思います。繰り返しになりますが、入力方式の選択はきわめて個人的なものです。しかしながら、コンピューターを使って文章を作成しようという場合の快適さと生産性に大きな影響を及ぼします。この大事な問題を単に使っている人が少ないからといって、簡単に決めてしまっていいのかというのが私の問いかけなのです。

日本語入力コンソーシアム
http://nicola.sunicom.co.jp/
親指シフトの普及を目的とした技術研究組合です。通産省(当時)に提出したNICOLA配列キーボード日本工業規格 (JIS) 化要望書 http://nicola.sunicom.co.jp/spec/demand.htm には、親指シフトの優位性を示すデータが掲載されています。

本記事は「親指シフトを使うこれだけの理由(と使わない唯一の理由)」http://homepage3.nifty.com/gicchon/sub12.htm を加筆、訂正したものです。
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SugitaNobuki

Author:SugitaNobuki
杉田伸樹(ぎっちょん)
親指シフトの普及活動を続けています。
約38年の公務員生活を終え、現在は大学教員です。

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