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「後退」キーの持つ意味

親指シフトユーザー同士での議論でもっとも意見が割れるものの一つが、「後退」またはBackspace (BS)の位置かもしれません。

もともと、ワープロ専用機のOASYSでは、中段の右手小指のホームポジションの一つ右(親指シフトキーボードでは「ん」の右)に置かれていました。ところが、パソコンでも親指シフトが使えるようになってくると、後退がキーボードの右上隅にあるというパソコンでの作法に合わせられるようになってきました。

ワープロ専用機のOASYSがなくなった今、パソコンで使える親指シフトキーボードの後退キーの位置はいろいろです。ハード的に決まっている位置をソフトで換えるようにすることができるようになっているものもあります。

こうした状況で親指シフトユーザー間でも後退キーの位置に関しての論争があります。「ん」の右側にあるのを「OASYSレガシー」という言い方をする場合もありますが、私自身はあまり好きではありません。

私自身の本問題に対する意見ははっきりしていて、後退は「ん」の右でないといけないというものです。なぜかというと、キーボードは「考えながら使う」ものだからです。

キーボードが単に清書のための入力装置なら、正確に速く打つための訓練をして間違えないようにするだけの話です。世にあるキーボード練習ソフトは大方この考え方を具現化しています。ところが、自分の考えを文章にまとめるためにキーボードを使う(これは現在では一番効率的な方法であるし、将来にわたっても大きく変わらないでしょう)とすると話は違ってきます。なぜなら、考えをまとめるプロセスというのは、一直線のものではなく、必然的に行きつ戻りつしながら作り上げていくものであるからです。そうした意味で、直前に入力したものを消して新しい文字、単語、文章にするというのは、一連のプロセスの自然な一部で、だから、やり直しをするのが容易な道具でないと困るのです。

後退キーが「ん」の右にあれば、小指を少し伸ばすだけで届きます。普通のパソコンのキーボードでは、右手の小指を大きく伸ばして、おそらくタッチタイプでは難しく、目はキーボードを見ることになるでしょう。これでは思考は中断してしまいます。指をホームポジションに戻すことも面倒です。だから、後退は「ん」の右になければいけないのです。もちろん、もっと手軽に使える場所があるのだったらそれに反対はしません。英語のキーボードにあったErase-Eazeではスペースキーが左右二分割され、左側がBackspaceになっていました。なお、現在販売されている親指シフト専用キーボードFMV-KB613、FMVーKB232はいずれも右手小指横の後退キーがデフォールトになっています。

さて、後退キーにはもう一つ、どのような機能を持たせるかという問題があります。特に、かな漢字変換との関係でどのような動きをするかは重要な問題です。現在、かな漢字変換を使って日本語を入力するには、ローマ字かな入力では、アルファベット入力→(自動)→ひらがな→(手動)→漢字かな混じり、というステップ、かな入力では、かな入力→(手動)→漢字かな混じり、というステップになりますが、この場合、後退キーのおこなう動作は、どこの段階にあるかによって変わります。これが違和感のないものとなっていることが重要です。

ローマ字かな入力では例えば、「も」を入力するのに「み」を入力してしまったとき「mo→も」は自動的に変換されてしまうので、後退キーを押すと「も」が消えて、miと入力し直さなくてはいけません。もちろん、かな入力でも後退キーを押せば一文字消えますが、問題はローマ字入力の際の入力のリズムと後退での動作のリズムが食い違うことで、こうした点をうまく折り合いを付けることが良いヒューマンインターフェースの条件です。

さて、親指シフトを日本語以外で使う場合にも、後退キーの動作については良く吟味する必要があります。例えば、ベトナム語ではnghは一つの子音ですが、後退キーを押したときにこれがいっぺんに消えるのかそれともh, g, nの順に消えていくようにするのかをきちんと評価することが必要です。また、ハングルでは、基本的に一音節一文字が原則ですが、文字は2又は3の構成要素からなります。このとき、後退キーの動作が文字単位か文字の構成要素単位か、といった点は論点になると思われます。

この記事は"「後退」キーの持つ意味"http://homepage3.nifty.com/gicchon/sub17.htmを加筆、訂正したものです。
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Author:SugitaNobuki
杉田伸樹(ぎっちょん)
親指シフトの普及活動を続けています。
約38年の公務員生活を終え、現在は大学教員です。

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